2018年10月2日火曜日

紙漉重宝記 その53




P.22 と路ヽ草の種類 後半


(読み)
山 とろヽといふハ、作 ら須゛。
やまとろろというは、つくらず。

自然 尓生  春゛るもあり。
じ袮んにしやうず るもあり。

これを藝 紙 等 漉 耳
これをちりがみとう春くに

用 由。其 紙 いろ赤 くなる
もちゆ。そのかみいろあ可くなる

と志類べし
としるべし


(大意)
「山とろろ」というものは、栽培はしない。
自然に山野に生育するものもある。
これはちり紙などを漉くのに用いる。
その紙の色は赤くなる。


(補足)
「自然」、読みはここでは(じねん)ですが、他の部分では(しぜん)の振り仮名もありました。
「藝紙」、藝を(ちり)と振っています。この漢字が「塵」には見えません。
先の「うす皮を削図」のところで、「黒皮ちり紙漉に用ゆ。これをさる皮と唱ふ。」とあって、
さらにその次の「阿く出しの図」で、その「さる皮」は石見で消費しきれなかった分を、「藝州領尾形へ運送し、商」うとあります。なので藝州でよく見かける紙だったのかもしれません。
しかし、単純に漢字の間違いかもしれませんが。



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