P.23 下段 6行目〜最後
(読み)
紙 漉 一 舩 尓壱 升 本ど入 天
かみ春きひとふ年にいっしょうほどいれて
心 得べし。
こころえべし
尤 春いのう尓てこし小桶 二入
もっともすいのうにてこしこをけにいれ
置 入 用 程 づゝつ可ふ
をきいりよう本どづゝつかふ
(大意)
紙漉き一船につき、一升ほどのとろろあおいを入れる
ことを承知しておくこと。
もっとも、(一度に使い切るのではなく)水のうでこしたとろろあおいを小さな桶に入れておき
必要のあるごとに小分けにして用いる。
(補足)
「舩」=「舟」+「公」、旧字体です。頻出というか「船」はほとんど使われない。
「心得」、何度も出てきます。必ず読めるようにする。
「遍゛」=「戸」+「冊」+「辶」+「゛」、「冊」は両側がはみ出ませんが、これで「べ」。
「戸」のくずし字は原型を保ち、「冊」はグニュグニュとさせ、「辶」は下部に横棒となり、
濁点「゛」がつきます。
「尤」(もっとも)、「然」(然るに)の「犬」の部分のくずし字になります。
「春いのう」(すいのう)、水切りのこと。馬の毛や竹などでザルのようにしたもの。
わたしはうっかり「氷嚢」(ひょうのう)と勘違いしてしまいました。頭を冷やさなくちゃ。
この頁の終わりに Reports on the manufacture of paper in Japan より。
今までの絵に比べたら、余程ましです。
植物だけの写しなら、得意なのかもしれません。
上部の黄色い花一輪とふたつの蕾は原画でも目立ちすぐに気が付きますが、
中部左側にあるのも、ちゃんと描かれています。
根のひげをもっと目立たせてほしかった。
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