2018年10月15日月曜日

紙漉重宝記 その66




P.27 道具之圖 下段 最初〜2行目まで


(読み)
此の簀古 くなる時 ハ馬尾 の形、  紙 に付 也。
このすふるくなるときはうまおのかたち、かみにつくなり。

是 を紙 中 買、 簀可゛高い と唱 へ、きらふ也。
これをかみなかがい、すが たかいととなへ、きらうなり。


(大意)
この簀は古くなると(ひごを編んでいる馬毛がささくれ)その跡が紙に付いてしまう。
これを紙の仲買証人は「簀が高い」と言って、嫌う。


(補足)
「簀が高い」という表現に興味がひかれました。広辞苑によると「高い」の意に「時間が多く経過している」、「年齢が多い。年長(た)けている」もあります。要は竹ひごを縛っている馬毛がくたびれてきて、ささくれだった状態を意味しているわけですが、「古い」とは言わずに「高い」と表現するには何か他に理由があるような気がします。

「高」のくずし字も頻出です。「亠」の下の部分が「寺」のくずし字ににています。



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