2018年10月8日月曜日

紙漉重宝記 その59




P.24 楮苧擲く図 6行目〜9行目まで


(読み)
冬 紙 ハとろゝ者゛可り入
ふゆかみはとろろば かりいり

て多ゝくなり。春 紙 尓
てたたくなり。はるかみに

盤のりを入るゝもあり
はのりをいるるもあり

左奈くては漉 可゛多し
さなくてはすきが たし


(大意)
冬に漉く紙はトロロアオイだけを入れてたたく。
春に漉く紙はのりを入れてたたくこともある。
そのようにしないと漉きにくい。


(補足)
「冬」のくずし字、遠目にパッと見た感じは「色」のようですが、よくみると「冬」そのままです。
「春」のくずし字は何種類もあります。変体仮名の「春」(す)は「十」+「て」のようなくずし方が多いようです。

恥ずかしながら「春紙には、のりを入るる」なのか「春紙に、はのりを入るる」なのか、文章の区切りに迷いました。「ふのり」というのりがあるので「はのり」もあるのではないかとおもったのです。
「盤」(は)のくずし字もよくでてきます。

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