2018年10月16日火曜日

紙漉重宝記 その67




P.27 道具之圖 下段 3行目〜7行目まで


(読み)
内 外 輪、杉 尓て製」之
うちそとわ、すぎにてこれをせいす

手可るく女  の力  二応 春゛る
てがるくおんなのちからにをうず る

古゛とく須。外 輪へ簀を
ご とくす。そとわへ春を

志起、入 子の輪を以  堅 め
しき、いれこのわをもって可多め

用 由るなり
もちゆるなり


(大意)
内輪(入子)と外輪は杉材でつくる。
手に持ってする作業なので軽く作り、女の力でも作業しやすいようにする。
外輪へ簀をしき、その上から入子を重ね入れ、簀をしっかり押さえて
用いる。


(補足)
製」之、(之を製す)。なぜかレ点がついてます。学術書や宗教などの楷書で書かれた文献では普通ですが、この重宝記では、初めてでしょうか。
「外」、頻出です。「る」の気持ちで書き始め、下の小さなクルッと回るところでそのまま真下に流し、右側に点です。

簀は海苔巻きやだし巻きなどを作るときに使いますので、馴染みのあるものです。
日よけにすだれとしても使いますし、すだれ状のものは身の回りに探すとたくさんあります。

「堅」の下部「土」がかすれてわかりにくいですが、かすれてなくても「土」のくずし字、わたしは苦手です。「云う」の上の「一」がないような形に見えます。

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