P30 東京国立博物館蔵
(読み)
取リ角(スミ)桜 大 手外 堀 アリて能 城 なり
とり すみ やぐらおおてそとぼりありてよきしろなり
五 日天 氣尓て新 塩 濱 と云 処 ニ参 ル之 ハ
いつかてんきにてしんしおはまというところにまいるこれは
新 規尓取 立テし塩 濱 也 とぞ塩 濱 は田
しんきにとりたてししおはまなりとぞしおはまはた
能如 ク尓して四面 ニ溝(ミソ)あり其 溝 へ自 ラ塩
のごとくにしてしめんに みぞ ありそのみぞへおのずからしお
能さして且 て潮 を扱ミて濱 ヘうつ事 ナシ
のさしてかってしおをくみてはまへうつことなし
潮 を煮る所 アリ一 間 四方 ニして厚 サ六 七
しおをにるところありいっけんしほうにしてあつさろくしち
寸 所 々 縄(ナワ)尓て約(ツリ)て薄ス鍋 なり赤 穂
すんところどころ なわ にて つり てうすなべなりあこお
塩 日本 第 一 也 其(コゝニ)冨人 の家 アリ夫 ヨリ
しおにほんだいいちなり ここに ふじんのいえありそれより
三崎 大 明 神 の祠 アリ社 古 ヒ大 松 廻 り
みさきだいみょうじんのほこらありやしろふるびおおまつまわり
海 岸 波 あらく嶋 数 \/見ヘてヨキ景色(ケシキ)
かいがんなみあらくしまかずかずみえてよき けしき
(大意)
略
(補足)
「角(スミ)桜」、角櫓。「自ラ塩能さして」、自ラ潮能さして。「扱ミて」、汲ミて。「約(ツリ)て」、釣て。
「五日」、天明8年九月五日。1788年10月4日。
「三崎大明神」、赤穂市御崎の温泉街に位置する伊和都比売神社(いわつひめじんじゃ)のことでしょうか。
赤穂のお城は、伊能図では森和泉守居城と記されています。
塩田は御城の南側、河口付近です。
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