2025年3月29日土曜日

江漢西遊日記三 その30

P30 東京国立博物館蔵

(読み)

取リ角(スミ)桜  大 手外 堀 アリて能 城 なり

とり  すみ やぐらおおてそとぼりありてよきしろなり


五 日天 氣尓て新 塩 濱 と云 処  ニ参 ル之 ハ

いつかてんきにてしんしおはまというところにまいるこれは


新 規尓取 立テし塩 濱 也 とぞ塩 濱 は田

しんきにとりたてししおはまなりとぞしおはまはた


能如 ク尓して四面 ニ溝(ミソ)あり其 溝 へ自   ラ塩

のごとくにしてしめんに  みぞ ありそのみぞへおのずからしお


能さして且 て潮 を扱ミて濱 ヘうつ事 ナシ

のさしてかってしおをくみてはまへうつことなし


潮 を煮る所  アリ一 間 四方 ニして厚 サ六 七

しおをにるところありいっけんしほうにしてあつさろくしち


寸 所  々  縄(ナワ)尓て約(ツリ)て薄ス鍋 なり赤 穂

すんところどころ  なわ にて  つり てうすなべなりあこお


塩 日本 第 一 也 其(コゝニ)冨人 の家 アリ夫 ヨリ

しおにほんだいいちなり  ここに ふじんのいえありそれより


三崎 大 明  神 の祠  アリ社  古 ヒ大 松 廻 り

みさきだいみょうじんのほこらありやしろふるびおおまつまわり


海 岸 波 あらく嶋 数 \/見ヘてヨキ景色(ケシキ)

かいがんなみあらくしまかずかずみえてよき   けしき

(大意)

(補足)

「角(スミ)桜」、角櫓。「自ラ塩能さして」、自ラ潮能さして。「扱ミて」、汲ミて。「約(ツリ)て」、釣て。

「五日」、天明8年九月五日。1788年10月4日。

「三崎大明神」、赤穂市御崎の温泉街に位置する伊和都比売神社(いわつひめじんじゃ)のことでしょうか。

 赤穂のお城は、伊能図では森和泉守居城と記されています。 

 塩田は御城の南側、河口付近です。

 

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