2025年3月19日水曜日

江漢西遊日記三 その21

P21 東京国立博物館蔵

(読み)

春江戸吉 原 能川岸(カシ)見世能様 なり紅(アカキ)キ

すえどよしわらの   かし みせのようなり  あかき き


衣(イルイ)以 て打 かけ顔 色 能く見へると雖   甚  タ

  いるい もちてうちかけかおいろよくみえるといえどもはなはだ


似せ物 ニて大 笑  なり

にせものにておおわらいなり


廿   六 日

にじゅうろくにち


墨 画少 し認  メル氣分 あしゝ

ぼくがすこししたためるきぶんあしし


廿   七 日 雨 降 ケンカ堂 ヨリ鯛 と蛤   を贈 ル京

にじゅうしちにちあめふるけんかどうよりたいとはまぐりをおくるきょう


大 坂 ニてハ者まく里貴  シ明日ハ出  立 せんとて

おおさかにてははまぐりたっとしあすはしゅったつせんとて


所  々  暇  乞 ニ行ク又 色 \/拂  等 済ム其 晩

ところどころいとまごいにゆくまたいろいろはらいとうすむそのばん


方 西 国 橋 と云フより乗リ合 舩 ニのる其 夜

がたさいごくばしというよりのりあいふねにのるそのよ


天 氣風 ホ あしく舩 出デ春゛宵 より夜明 て

てんきかぜとうあしくふねいでず よいよりよあけて


五時前 迄 舩 中  ニ居ル一 向 不眠  其 上(ウヘ)下タハ

ごじまえまでせんちゅうにおるいっこうねむれずその  うえ したは

(大意)

(補足)

「雖」、『いえども』。「口」+「虫」+「隹」。訓読みは学んでいないと読むのは不可能。

「甚タ似せ物ニて大笑なり」、こちらは江戸吉原、有名な葛飾応為「吉原格子先之図」の画ですが、これが本物であるという江戸っ子の自負が江漢さんあったのでしょう。 

 どちらも、同じようなものにみえますけど・・・。応為は北斎の娘。大好きな絵師です。

「廿六日」、天明8年八月廿六日。1788年9月25日。

 10日間ほど楽しんだ大阪も出立せんと、夜半に乗り合い舟に乗ったものの、天気悪しく出ることできず、朝8時まで船中でうつらうつら。さてさてどうなることやら。

 

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