P23 東京国立博物館蔵
(読み)
新 兵衛と云 人 の方 ニ泊 ル
しんべえというひとのかたにとまる
廿 八 日 天 氣筑 嶋 清 盛 の塚 を見 夫 ヨリ
にじゅうはちにちてんきちくしまきよもりのつかをみるそれより
湊(ミナト)川 を過 て楠 能碑を見 碑より少 シ
みなと かわをすぎてくすのひをみるひよりすこし
山 尓ニ入 リ廣厳(カン)寺ハ楠 寺 なり碑を石
やまに はいりこう がん じはくすでらなりひをいし
摺 ニして賣ル楠 の弓 矢亦タ像 アリ寺 ハ
ずりにしてうるくすのゆみやまたぞうありてらは
禅 宗 ニて和尚 雅人 ニて共 ニ布 引 の瀧
ぜんしゅうにておしょうがじんにてともにぬのびきのたき
を望 武和尚 詩作 アリ共 ニ興 して寺 ニ帰 ル
をのぞむおしょうしさくありともにきょうじててらにかえる
廿 九日 天 氣和尚 能像 を描(カキ)遣 ス草
にじゅうくにちてんきおしょうのぞうを かき つかわすそう
画二三 枚 なり酒 素 めんを出し馳走 スル
がにさんまいなりさけそうめんをだしちそうする
(大意)
略
(補足)
「廿八日」、天明8年八月廿八日。1788年9月27日。
「湊(ミナト)川を過て楠能碑」、南北朝時代に足利尊氏と楠木正成が戦った「湊川の戦い」で有名。
「清盛の塚」「楠能碑」「廣厳(カン)寺」は神戸近在にあり、みな近い。「布引の瀧」は新幹線新神戸駅のすぐ北側。
「草画」、『そうが さうぐわ【草画】大まかな筆づかいで描いた絵。主に,南画系の墨画・淡彩画をいう』。
「素めん」、ちょうどこの頃に「灘目(なだめ、なだもく)素麺」があって、これがのちに「揖保乃糸」になっていったらしい。
現在の神戸市周辺の観光です。半日散歩して仕上げは冷たい灘の酒と素麺、わたしもしてみたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿