2024年12月22日日曜日

江漢西遊日記一 その39

P44 東京国立博物館蔵

(読み)

至  て麁末 なる物 なり方 丈  ニて画二十  枚

いたってそまつなるものなりほうじょうにてえにじゅうまい


認  メ皆 出来あしゝ晩 方 庵原 へかえりぬ

したためみなできあししばんがたゆはらへかえりぬ


廿 日天 氣快 晴 春明日ハ爰 を出  立 して

はつかてんきかいせいすあすはここをしゅったつして


いよいよ長 崎 の方 へおも武かんと春

いよいよながさきのほうへおもむかんとす


さて府中  より此 地の風 土暖 土ニして風 蘭

さてふちゅうよりこのちのふうどだんどにしてふうらん


石 解 蘭 水 仙 自  ラ山 野ニ生  ス蘇鉄 サ

せっこくらんすいせんみずからさんやにしょうずそてつさ


ポテン地尓生  シテ大 キシ故 尓花 さき実ヲ

ぼてんちにしょうじておおきしゆえにはなさきみを


武春ぶ府中  ハ町 九  十  六 町  アリ男  ハ江戸の物

むすぶふちゅうはまちきゅうじゅうろくちょうありおとこはえどのもの


言 ニ少 シかわる女 子の言 語ハ甚  タか王りなり女  ハ

いいにすこしかわるじょしのげんごははなはだかわりなりおんなは


必  ス色 黒 ク野卑(ヒ)なりたま\/色 白 ク能キ女 ハ

かならずいろくろくや  ひ なりたまたまいろしくよきおんなは

(大意)

(補足)

「廿日」、六月廿日。西暦1788年7月23日。

「爰を出立していよいよ長崎の方へおも武かんと春」、と何度目かの決心。みずから励ましている。変体仮名「武」(む)はこの日記で頻繁に使われます。

「風蘭」、『ふうらん【風蘭】ラン科の常緑多年草。暖地の山中の樹上に着生,また観賞用に栽培。茎は短く,広線形のかたい葉が左右二列につく。夏,腋生(えきせい)の柄に細長い距(きよ)がある白色の花を数個つける。品種が多い』

「石解蘭」、石斛蘭(セッコクラン)。


 

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