P34 東京国立博物館蔵
(読み)
往 来 能者川゛れ左 ヘ少 シ入 ル処 誠 ニ二町 アリ
おうらいのはず れひだりへすこしはいるところまことににちょうあり
入 口 ニ茶 やあり玄 庵 案 内 ニて何 屋とか
いりぐちにちゃやありげんあんあんないにてなにやとか
云 亭 尓能ほり新 造 を二 人よ婦中 位 の
いうていにのぼりしんぞうをふたりよぶちゅうくらいの
美人 なり酒 肴 出テル硯 蓋 ニタゝミイワシ
びじんなりしゅこういでるすずりぶたにたたみいわし
とて白 春を干(ホシ)多る物 尓醤 油付 焼 多るを
とてしらすを ほし たるものにしょうゆつけやきたるを
あしらへ其 餘 能喰 品 皆 之 尓順 春゛る
あしらえそのほかのしょくひんみなこれにじゅんず る
なり日も暮れ个連ハ倡 婦能云フチトソコラ
なりひもくれければしょうふのいうちとそこら
ヘ参イロと云 初 會 ニて手をひかれ見世を
へまいろというしょかいにててをひかれみせを
見あるく誠 ニ奇妙 也 二階 能ゑんニランカ
みあるくまことにきみょうなりにかいのえんにらんか
ンあり皆 者き物 を爰 ニ置 なりたゝミキタナシ
んありみなはきものをここにおくなりたたみきたなし
(大意)
略
(補足)
「案内」、案は「安」+「木」なので、上半分は「あ」。
ここでタタミイワシがでてくるとは。相模湾沿岸でも今でも販売していてわたしの好物。製法は現在と全く同じで食べ方も同じはずです。
「日も暮れ」、「暮」のくずし字が「苦」に似てます。読みが「く」で「苦」と同じなので誤解なきよう。
遊郭での約束事が江戸とは大きくことなっているので、江漢さんあたふた困ってます。野暮な人間に見られぬよう、気をつけようとしているのが笑えます。
この二丁町遊廓は多くの錦絵にも描かれています。空襲で焼失したとありました。
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