P1 国文学研究資料館蔵
(読み)
ぞうく王の神古
ぞうかのかみこ
今 人 のいのち能多
こんひとのいのちのた
奈おろしを志給 ふ
なおろしをしたまう
「神 代の志゛ぶんハむ
かみよのじ ぶんはむ
しやう尓いのち可゛奈可゛いから
しょうにいのちが なが いから
かんじやうにてま可゛とれる
かんじょうにてまが とれる
「ひこ本ゝでミの
ひこほほでみの
ミことハ〆 高 可゛六十三万七千八百九十二さいう可゛やふ起あハせ春゛
みことはしめだかが さいうが やふきあわせず
のみことハ八十三万六千四十二さい
のみこと さい
多゛このやう奈な可゛い以のちハ
だ このようななが いいのちは
おきどころ尓こまるくらしき可゛
おきどころにこまるくらしきが
多んとでゝハ可んじやう可゛
たんとでてはかんじょうが
ひきあハぬぞ
ひきあわぬぞ
(大意)
造化の神は古くより今日まで命の棚卸しをされてらっしゃる。
「神代の時分は大変に命が長いから、(棚卸しの)勘定に手間がかかる。彦火々出見尊は総額が637892歳、鵜茅葺不合尊は836042歳だ。このような長い命は置きどころに困る。
倉庫代がたくさんかかっては勘定が引き合わぬぞ」
(補足)
「ぞうく王の神古今人の」、「神古今人」と、このように漢字が並ぶ区切りはどこか悩みます。
「志給ふ」、ここは「玉ふ」ではありませんでした。
「くらしき」、『②「倉敷料」(倉庫に物品を預けた場合に支払う保管料。敷料)の略』。
そろばんが、神様のなせる技か、浮いて見えます。この算盤、下段の玉を数えてみると6個?あって、これまた神様専用のもののよう。
後ろの大福帳、「壬戌享和二年正月吉日寿命仕入帳」「人間命数壬戌享和二年正月吉日勘定帳」とあります。
長押にかかっている命札、これって煎餅にしたり、御札にしたり、孫の手にしたりして商品すれば売れるとおもいます。