P29 国立国会図書館蔵
(読み)
女 本うハ尓んぎよていし由ハ
にょうぼうはにんぎょていしゅは
子どもさりとハつまらぬ
こどもさりとはつまらぬ
事 と奈るあまり由き
こととなるあまりゆき
すぎるものを奈め
すぎるものをなめ
春ぎ多や川多゛と
すぎたやつだ と
いふも
いうも
こん奈
こんな
事 可ら
ことから
いひ
いい
出せし
だせし
奈るべし
なるべし
〽それミ奈せへし
それみなせえし
あんまり奈め
あんまりなめ
すぎ奈者る可ら
すぎなはるから
そう多゛
そうだ
〽可ゝアヤこれ
かかあやこれ
まあどうし多
まあどうした
もん多゛
もんだ
アゝちゝ可゛
ああちちが
のミ多く
のみたく
奈つ多
なった
(大意)
女房は人魚、亭主は子ども、こうなっては
目も当てられぬ事となった。
あまりにゆき過ぎるヤツのことを
嘗め(すぎ)たヤツだというのは
こんな事から言い出したのだろう。
(補足)
「つまらぬ事と奈る」、「る」は変体仮名「留」のかたちで、丸っこい。そして「る」のかたちになっているのが「事」のくずし字と変体仮名「奈」(な)。
「奈るべし」、こちらの「奈る」は同じく変体仮名「奈」が「る」のかたちで、次の「る」はほとんどかたちになっていません。
「可ゝアヤ」、いったん読めてしまえばなんでもないですけど、初見では??でした。
平次が大人のなりで、そのまま子どもの顔つきになっているのが愉快ゆかい。
0 件のコメント:
コメントを投稿