P28 国立国会図書館蔵
(読み)
〽人 魚 者可まひつけ須゛
にんぎょはかまひつけず
つんとしている
つんとしている
〽しやうじん
しょうじん
日尓ハ
びには
つきやハれ
つきやわれ
袮へよのふ
ねえよのう
〽あすあ多りハむさしやへでもいつて
あすあたりはむさしやへでもいって
志や連るきハ奈し可へ
しゃれるきはなしかえ
志可しこのごしんぞも
しかしこのごしんぞも
む可ふしまでハ由多゛んの
むこうじまではゆだ んの
奈らねへ奈り多
ならねえなりだ
(大意)
人魚はそんな誘いにもおうじずツンとすましている。
(人魚曰く)「精進日にはお付き合いはできませんのよ」
「明日あたり、武蔵屋へでも行って洒落る気はねえかい。
しかし、このご新造も向島では油断のならねえなりをしてやがる」
(補足)
ローカルな内容で、ものの本にたよらないと理解できません。以下その本よりです。
向島には中田屋(葛西太郎)や武蔵屋権三郎といった鯉料理で有名な料理屋があって、人魚はまちがって料理されかねない。がこれは表向きのことで、江戸郊外向島の料理やなどは出会茶屋(大人の休憩所、ラブホテル)でもあったので、そこで嘗めてみたいというのが本音なのでした。
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