2023年7月12日水曜日

箱入娘面屋人魚 その40

P20 国立国会図書館蔵

(読み)

人 魚 ハ个 ふの

にんぎょはきょうの


どう中  の

どうちゅうの


つ可れ尓て

つかれにて


多王い奈く

たわいなく


袮いりゐ多

ねいりいた


れバ手ハらう

ればてはろう


可尓あつ天

かにあって


あ多まハと

あたまはと


この内 尓有

このうちにあり


てん可ら

てんから


者けを

ばけを


あらハ須

あらわす


〽奈んでもこの女 郎 ハ者゛けもの多゛

 なんでもこのじょろうはば けものだ


あの床 のうち可ら

あのとこのうちから


こゝまで手可゛とゞく

ここまでてが とどく


とハさて\/

とはさてさて


奈可゛い手多゛

なが いてだ

(大意)

人魚は、今日の道中の疲れでぐっすりと

寝入ってしまっていた。手は廊下にあり

頭は床のうちにあって、すっかり

化けの皮をはがしてしまった。

「どうみてもこの女郎は化け物だ。

あの床の内からここまで手が届くとは

なんて長い手だ」

(補足)

「とこの内尓有」、「有」のくずし字は頻繁に出てきます。

掛け布団の柄がサッカーボールのような五角形です。見たことのない柄や紋がほんとうにたくさんあるなと驚きます。

 

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