2023年7月18日火曜日

箱入娘面屋人魚 その46

P24P25 国立国会図書館蔵

P25

(読み)

〽なめるもの尓とりてハ志よく王いの

 なめるものにとりてはしょか いの


さしきのさ可づき可ていし由の

ざしきのさかずきかていしゅの


るすの女  本゛う可マダどう二の

るすのにょうぼ うかまだどうにの


ふん多゛多いこ二可水 あめ

ふんだ たいこにかみずあめ


飛し本きんざんじ

ひしおきんざんじ


ご満ミそ由ずミそ

ごまみそゆずみそ


さとうミそハア飛やうし尓

さとうみそはあひょうしに


可ゝ川て奈めさ川せへ

かかってなめさっせえ


ドコツク\/  スコドコドン\/

どこつくどこつくすこどこどんどん


〽せんの可多ハお可王り

 せんのかたはおかわり

(大意)

「舐めるものにとりては、初会の座敷の盃か、

亭主の留守の女房か、マダ胴二の踏んだ太鼓二か、

水飴・醤・金山寺、胡麻味噌・柚子味噌・砂糖味噌、

ハア、拍子に掛かってなめさっせい、

ドコツクドコツク、スコドコ、どんどん」

「先の方は代わって下さい」

(補足)

「志よく王いのさしきのさ可づき可」、読めても意味が?なので不安、「さ可づき」は「盃」とわかりますから「さしき」は「座敷」だろうと、で、最初のところは「初会の」だろうと。

遊女と初めての夜、遊女が御酌してくれた盃を緊張してチビチビなめる様でしょうか。

「ていし由のるすの女本゛う可」、これは髪結いの亭主、妻が稼いでいる間、家でチビチビ酒をなめる亭主、のことでしょうか。

「マダ胴二の踏んだ太鼓二か」、調べるとかるた遊びの内容ですが、全然わかりませんでした。

 なめるものはたくさんあって、以下具体的にいろいろあげております。

「水あめ」、「水」のくずし字は特徴的なのですぐに覚えられます。一画目の「丶」が「水」の縦棒で、次が「水」の左側を、そのまま右側に筆を運んで「水」の右側「く」になると理解しています。

 平次が太鼓をたたいて調子をとり、それにあわせてなめなっせいと囃し立てます。なんせ一人前、一両一分、なめる時間はほんのわずか、客の回転もすこぶるよく、大金が転がり込んできて平次の口上も快調です。

 

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