P16P17 国立国会図書館蔵
P17
(読み)
〽されどもから多゛ハうをの事奈れハつふしの袮うち
されどもからだ はうおのこなればつぶしのねうち
くび者゛可りいけのふミ尓て袮んい川者いをおさ多゛まりの
くびば かりいけのふみにてねんいっぱいをおさだ まりの
くび代 を七 両 二分でかゝへる
くびだいをしちりょうにぶでかかえる
〽人 魚 はていし由の
にんぎょはていしゅの
る春尓さう多゛んを
るすにそうだ んを
き王め金 尓
きわめかねに
そへて可きおき
そえてかきおき
をのこさんと
をのこさんと
思 へ
おもえ
ども
ども
(大意)
しかしながら、体は魚なのであるから、年季が明けるまでの値打ちは
首から上だけである。どんなに値踏みしても年いっぱいをお定まりの
七両二分で抱えることにした。
人魚は亭主の留守中に相談をにつめ、金に添えて書き置きを残そうと
おもったのだが、
(補足)
「いけのふミ尓て」がよくわかりません。「ふむ」には「⑦ 見当をつける。評価する。「ざっと―・んでも一億は下らない」「素人ではないと―・む」」という意味もあり、これなら文の流れから妥当だとおもうのですが、今度は「いけの」が?「池の踏みにて」でもなんか変。う~ん・・・
「七両二分」、間男の示談金のこと。これを「首代」といったので、人魚の首代に引っ掛けている。
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