2023年7月3日月曜日

箱入娘面屋人魚 その32

P16P17 国立国会図書館蔵

P17

(読み)

〽されどもから多゛ハうをの事奈れハつふしの袮うち

 されどもからだ はうおのこなればつぶしのねうち


くび者゛可りいけのふミ尓て袮んい川者いをおさ多゛まりの

くびば かりいけのふみにてねんいっぱいをおさだ まりの


くび代 を七 両  二分でかゝへる

くびだいをしちりょうにぶでかかえる


〽人 魚 はていし由の

 にんぎょはていしゅの


る春尓さう多゛んを

るすにそうだ んを


き王め金 尓

きわめかねに


そへて可きおき

そえてかきおき


をのこさんと

をのこさんと


思 へ

おもえ


ども

ども

(大意)

しかしながら、体は魚なのであるから、年季が明けるまでの値打ちは

首から上だけである。どんなに値踏みしても年いっぱいをお定まりの

七両二分で抱えることにした。

 人魚は亭主の留守中に相談をにつめ、金に添えて書き置きを残そうと

おもったのだが、

(補足)

「いけのふミ尓て」がよくわかりません。「ふむ」には「⑦ 見当をつける。評価する。「ざっと―・んでも一億は下らない」「素人ではないと―・む」」という意味もあり、これなら文の流れから妥当だとおもうのですが、今度は「いけの」が?「池の踏みにて」でもなんか変。う~ん・・・

「七両二分」、間男の示談金のこと。これを「首代」といったので、人魚の首代に引っ掛けている。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿