2023年7月19日水曜日

箱入娘面屋人魚 その47

P24P25 国立国会図書館蔵

P24

(読み)

〽ミ奈\/

 みなみな


者゛ん付 の

ば んづけの


ふ多゛尓て

ふだ にて


志由ん尓奈める

じゅんになめる


〽おの\/奈める

 おのおのなめる


可本者奈者多゛

かおはなはだ


里可うらしく

りこうらしく


ミへる

みえる


P25

〽ひやう

 ひょう


し尓

しに


可ゝ川て

かかって


奈めまんしやう

なめまんしょう


〽い川そ

 いっそ


もつと

もっと


下 の本う可゛

したのほうが


奈め多ひ

なめたい


〽奈ん本人 魚 でも

 なんぼにんぎょでも


すこしハ者つ可しく

すこしははずかしく


可本をづきん尓て

かおをずきんにて


可くす

かくす

(大意)

皆さん、番号札を手に順になめる。

おのおの、なめるときの顔は、とても賢そうにみえる。(ほんとうは阿呆ずら)

「拍子にあわせてなめまんしょう」

「ほんとうはもっと下の方がなめたい」

いくら人魚でも、少しは恥ずかしく、顔を頭巾で隠す。

(補足)

「可本者奈者多゛」、どこで区切って読むのかなやみます。

「里可うらしく」、「可」も「う」も「ら」もみな似ているかたちですが、ここの「ら」はわかりやすい。

「もつと」「人魚でも」、ふたつの「も」のかたちがことなっています。

「なめる」とは情事の隠語でもあるとものの本にはありました。

 

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