P16P17 国立国会図書館蔵
P17
(読み)
これ又
これまた
手可゛
てが
奈个れバ
なければ
せん可多奈く
せんかたなく
まへど冨 十 郎 可
まえどとみじゅうろうが
し多る
したる
道 成 寺を
どうじょうじを
きゝおよひ
ききおよび
口(こう)飛つ尓て
こう ひつにて
さら\/とハ
さらさらとは
可ゝ須゛
かかず
本゛川
ぼ っ
多り
たり
\/ と
ぼったりと
可く
かく
書 をきの事
かきおきのこと
王たくし
わたくし
P16
〽イヤかく
いやかく
もん多゛ハへ
もんだ わえ
こい川
こいつ
おそれ
おそれ
ありまの
ありまの
人魚ウ
にんぎょう
ふで多
ふでだ
(大意)
これまた、手がなければどうすることもできず
昔、富十郎がやった道成寺を思い出し、
口に筆をくわえて、
さらさらとは書けずぼったりぼったりと書いた。
P15
「いあやぁかくもんだわぇ
こつぁおそれ有馬の人魚ぅ筆だ
(補足)
「道成寺」、「道」のくずし字は特徴的で覚えやすいのですが、どうしてこんな形になったのだろうといつもおもいます。「寺」のくずし字は「ち」と「る」をあわせたような形。
「書をきの事」、「書」のくずし字も特徴的。ここのは縦棒「|」+「乙」。
安倍晴明出生説話のなかで正体は白狐である葛の葉が筆をくわえて障子に「恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」と書くところがあり、それをなぞったもの。
0 件のコメント:
コメントを投稿