2023年7月8日土曜日

箱入娘面屋人魚 その36

P20P21 国立国会図書館蔵

P20

P21

(読み)

P20

まいつるや可゛あんじいよ\/できあ可り

まいつるやが あんじいよいよできあがり


ついぞ奈い人 魚 のおいらん夕 ぐれのすこしうすくらく奈りし

ついぞないにんぎょのおいらんゆうぐれのすこしうすくらくなりし


己路をミ春まし中 の丁  へ出 し个れバその日ハどう可可う可者゛けを

ころをみすましなかのちょうへいだしければそのひはどうかこうかば けを


P21

あらハさ須゛ちや可して志まい个る

あらわさず ちゃかしてしまいける

(大意)

舞鶴屋の計画はようやくできあがり

今まで見たことのない人魚の花魁道中が、夕暮れの少しうす暗くなった頃を

みきわめて、大門の中の通りを道中し、その日はどうにかこうにか化けの皮を

はがすことなくごまかすことができました。

(補足)

「うすくらく奈りし己路を」、カタカナ「ム」のような「く」と縦長の普通の「く」、また「う」は「く」にもみえます。「こ」は変体仮名「己」のようです。

のれんに「毛とや」と読めます。ここの見世は吉原大門を入ってすぐ左の江戸町二丁目にある引手茶屋「ねもとや」ではないかと、ものの本にはありました。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿