P21 国立国会図書館蔵
(読み)
〽イヤ者や
いやはや
つき出しの入 用 ハいふも九大夫 おの可゛心 可゛らと
つきだしのいりようはいうもくだゆうおのが こころが らと
いひ奈可゛らゐしやう可らくし可う可゛い
いいなが らいしょうからくしこうが い
由可う尓びやうふよぎふとん者んぞう
ゆこうにびょうぶよぎふとんはんぞう
ひ者゛ち多者こ本゛ん
ひば ちたばこぼ ん
きやう多゛いちやうちん
きょうだ いちょうちん
奈がへげ多多んす
ながえげたたんす
奈可゛もちさらさ者ち
なが もちさらさばち
すりこぎ春り者゛ち
すりこぎすりば ち
者ち\/\/可゛ら\/\/
はちはちはちが らがらがら
いくらのそん可志れませぬと
いくらのそんかしれませぬと
き川年つき尓うゐらう
きつねつきにいうろう
のませ多やう尓人 魚 のを尓
のませたようににんぎょのおに
おをつけて志や遍゛る
おをつけてしゃべ る
(大意)
「いやはや、突出しにかかった費用は言うも苦だよ。自業自得とはいえ、
衣装から櫛(くし)笄(こうがい)、衣桁(いこう)に屏風夜着蒲団、半挿(はんぞう)火鉢
煙草盆、鏡台提灯長柄下駄、箪笥長持更紗鉢擂粉木擂鉢、鉢はちはち、柄がらがら、
いくら損したかわかりませぬ」と、
狐憑きに外郎を飲ませたように、人魚の尾に尾をつけたように喋る。
(補足)
「いふも九大夫」、言うも苦だよと洒落と解釈しましたけど。
「心」のくずし字は「飛」とまぎらわしい。
「ゐしやう」とそのあと9行目「うゐらう」の「ゐ」はここのフォントのようではなく左下の丸みがありません。変体仮名「為」(ゐ)。
「ちやうちん」、「や」がかすれていて「中」のよう。
「き川年つき尓うゐらうのませ多やう尓」、伝三は、歌舞伎役者市川團十郎のお家芸のひとつ、曽我十郎の扮装をして小田原名物の妙薬外郎の由来効能を述べたあとに早口言葉をつらねた長い口上を述べる、そのまねをしている。とものの本にはありました。
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