2023年6月30日金曜日

箱入娘面屋人魚 その29

P14P15 国立国会図書館蔵

P14

(読み)

歌 〽二八

うた にはち


十  六 ハ

じゅうろくは



奈し

なし


の可け日

のかけび


二九の十  八 で

にくのじゅうはちで


志ちやの

しちやの


里あげ

りあげ


四五の二十  めで

しごのにじゅうめで


やちん可゛壱 川

やちんが ひとつ


王しや

わしゃ


おびも

おびも


うけぬ

うけぬ

(大意)

歌。二八十六は日済しの借金の掛日(支払日)、二九の十八で質屋の利上げ、四五の二十目で家賃が一つ、わしゃ帯も請けぬ。

(補足)

歌はひらかな盛衰記四段目神崎揚屋の段の梅が枝のせりふ「二八十六で、文付けられて、二九の十八で、ついその心。四五の二十なら、一期に一度。わしゃ帯とかぬ」のもじりですけど、内容がよくわからないので面白みもよくわかりません。もとの科白はとてもしっくりきます。「歌」のくずし字は元の形があるような、ないような形。「可」ふたつ、上は小さく下は大きくかいて、「欠」は「丶」。

「可け日」、「うけぬ」、変体仮名「可」(か)と「う」はほとんど同じ形でまぎらわしい。

 

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