P8P9 国立国会図書館蔵
P8
(読み)
こゝ尓又 可ん多゛の八 丁 本゛りの
ここにまたかんだ のはっちょうぼ りの
遍ん尓つりふ年の平 次と
へんにつりふねのへいじと
いふものありつ年ニおきつりを
いうものありつねにおきつりを
可ぎやうニしてくらし个る可゛
かぎょうにしてくらしけるが
あるとき志奈川 おき尓て
あるときしながわおきにて
可ミをミ多゛せし女 の
かみをみだ せしおんなの
者けもの舩 中 へとびこミ
ばけものせんちゅうへとびこみ
何 可むしや\/ くらふ由へ
はにかむしゃむしゃくらうゆへ
きもを
きもを
つぶし个る可゛
つぶしけるが
(大意)
ここにまた、神田は八丁堀のあたりに
釣り船の平次というものがいた。つねに
沖釣りを家業にして暮らしていたが、
ある時、品川沖にて、髪を乱した女の化け物が
船中に飛び込み、何かむしゃむしゃ食っているので
肝をつぶした。が、
(補足)
「八丁本゛りの遍ん尓」、変体仮名「遍」(へ)、ちょっと「道」のくずし字ににています。
「つりふ年」「つ年二」、「年」のくずし字は「◯」+「ゝ」で英字「Q」のような形で変体仮名も同じような形です。
「何可むしや\/」、「何」のくずし字はよく出てくるのですけど、ちょっと苦手で悩むことが多い。
前の頁からここをひらくと目に飛び込んでくるのがなんとも強烈。西洋の人魚は腰から上が人間で下は魚なので、まだ人間味がありますけど、ここのは首だけ人間で、あとはまったくの魚、目を何度もパチパチさせてしまいます。人面魚というのはここからはじまったのかもしれません。
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