P10 国立国会図書館蔵
(読み)
此 のちつりふ年平 次やどと
こののちつりふねへいじやどと
可き多るふ多゛を者りおくべし
かきたるふだ をはりおくべし
志可る内 へハ王れち可川てハいる
しかるうちへはわれちかってはいる
まじといひおしへ王可れ个るよし
まじといいおしえわかれけるよし
世こぞ川ていひい多し
よこぞっていいいだし
札 を可いてもらハんと
ふだをかいてもらわんと
大 せい平 ニ可うちへ
おおぜいへいじがうちへ
つめ可け个れバ平次
つめかければへいじ
大 尓手こずる
だいにてこずる
〽平 次可しらをうちふ川て
へいじかしらをうちふって
イヤ\/それハ飛可事 といへとも
いやいやそれはひかごとといえども
ミ奈\/袮川可ら者川可ら
みなみなねっからはっから
せうちせ須゛
しょうちせず
〽平 次さ満く多゛せ
へいじさまくだ せ
おふ多゛をく多゛せ
おふだ をくだ せ
(大意)
『この後、釣船平次宿と書いた札を貼りおくべし。しかる内(家)には、
われ誓って入るまじ』と言い伝え、別れた」とのことを
世間は盛んに噂した。札を書いてもらおうと大勢、平次の家へ
詰めかけ、平次は大いに手こずった。
「平次は頭をふって「いやいやそれは間違いだ」というのだが
皆は何から何まで承知しませんでした。
「平次様お札を下さい。お札を下さい
(補足)
「札」、平仮名「れ」ではなく、漢字の「札」(ふだ)。
「平二」、「次」が「二」になってしまいました。
「大尓」、「おおいに」なのか「だいに」なのか悩みます。
「飛可事」、「僻事」(ひがごと)。間違いの意。
平次はくだけて立膝ですが、お札をもらいに着てる面々は正座で、紋付き羽織を着ている人もいます。長屋のおかみさんのような人の髪型がなんか変わっています。
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