2023年6月22日木曜日

箱入娘面屋人魚 その21

P10 国立国会図書館蔵

(読み)

よの中 のぞくぶ川ども者り本どの

よのなかのぞくぶつどもはりほどの


事 も本゛う本ど尓いゝ

こともぼ うほどにいい


本゛う本どの事 も

ぼ うほどのことも


者しら本ど尓いふ可゛

はしらほどにいうが


尓んじやうつりふ年の

にんじょうつりふねの


平 次可゛人 魚 を

へいじが にんぎょを


とも奈い可へり

ともないかえり


し事 多れいふ

しことだれいう


と奈くつり舟

となくつりふね


の平 次ハ品 川

のへいじはしながわ


おきてやくびやう

おきでやくびょう


可ミ尓さ可奈を

かみにさかなを


ふるまひそのおんを

ふるまいそのおんを


むく由る

むくゆる


多め尓いへるハ

ためにいえるは

(大意)

世の中の俗物どもは、針ほどの事も棒ほどに言い、棒ほどの事も柱ほどに言うのが

世の常である。釣船の平次が、人魚を伴い帰ったことは、誰が言うとなく

「釣船の平次は品川沖で疫病神に魚を振る舞い、その恩に報いるために

(補足)

 火鉢脇のどこかデレデレ状態の人物左腕肘に「平」とあります。

 

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