P6P7 国立国会図書館蔵
P7
(読み)
〽アゝおれも
ああおれも
里 うぐうもので
りゅうぐうもので
奈くハあハれ王れを
なくばあわれわれを
そ多゛てあげ天
そだ てあげて
ふきや丁可゛ し可
ふきやちょうがしか
両 ごくへ出せバき川と
りょうごくへだせばきっと
おちをとる可゛
おちをとるが
ぜひ奈くおしひものを
ぜひなくおしいものを
すてるぞせいじんの
すてるぞせいじんの
のちも可奈らず
のちもかならず
ミせものし尓
みせものしに
ミつ可らぬやう尓
みつからぬように
しろ
しろ
P6
〽者やく
はやく
ちやう
ちょう
ちんを
ちんを
もつて
もって
ごされ
ござれ
あ可子の
あかごの
こゑ可゛
こえが
しま須
します
(大意)
「あぁ、俺も竜宮者でなければ
いとしいおまえを育てあげ
葺屋町河岸か両国へ出せば
きっと評判をとるだろう。
やむを得ず惜しいことだが捨てるぞ。
成人したあとも、きっと見世物師に
見つからないようにしろよ。」
「早く提灯をもってきてください。
赤子の声がします。」
(補足)
「里うぐう」、「ぐ」が「ム゛」にみえます。
「おしひものを」、「し」がわかりにくい。
「ミつ可らぬ」、ここの「つ」は平仮名。前の行の「つ」は変体仮名「川」でした。
浦島太郎は波柄のしゃれた着流し、でもそのうえから腰蓑をして、どこまでも漁師にこだわります。
0 件のコメント:
コメントを投稿