P4P5 国立国会図書館蔵
P4
(読み)
可くて
かくて
奈可ず可゛
なかずが
ふ多ゝび
ふたたび
里う
りゅう
ぐうの
ぐうの
せ可いと
せかいと
奈り
なり
者んじやうする尓
はんじょうするに
つけてハいつと
つけてはいつと
奈くうつくしひ
なくうつくしい
ちや屋
ちゃや
女 可゛でき
おんなが でき
これを
これを
至極(しこく)
しごく
\/
しごく
と
と
奈づけ金 魚(ぎよ)
なづけきんぎょ
ぎん魚 を
ぎんぎょを
せしめ个る
せしめける
〽こゝ尓又
ここにまた
可多しけ奈くも
かたじけなくも
とう里 うくう可いの
とうりゅうぐうかいの
おや玉 志や可つら
おやだましゃかつら
里 う王 の二代
りゅうおうのにだい
め者゛可つら
めば かつら
里う王 うの
りゅうおうの
御そく女
ごそくじょ
おと
おと
飛めの男 め可け尓
ひめのおとこめかけに
うらしま太郎 とてミ奈さ満
うらしまたろうとてみなさま
(大意)
かくて、中州が再び竜宮の世界となり、
繁盛するにいたって、いつともなく
美しい茶屋娘があらわれ、これを「至極」と
名付け、金魚銀魚を自分のものにしてしまった。
そしてここにもまた面目なく、当竜宮界の親玉沙羯羅(しゃかつら)竜王の
二代目バカ面竜王のご息女乙姫の男妾に
浦島太郎という皆様(ご存知の色男がおりました。)
(補足)
場面は波間の下の竜宮の中洲新地にある地獄(至極)屋、利根川屋の2階。地獄とは中洲の素人売春婦でそれをかかえていた料理屋茶屋などが地獄屋。
金魚とは踊り子の総称で、東両国回向院前に金猫・銀猫と呼ばれた私娼がいたのにかけて、竜宮バージョンで金魚銀魚としたと、ものの本にはありました。
黄表紙や洒落本滑稽本など、江戸のごく狭い地域でしか通じない、言い回しや店の名前やそのときの流言などが引っ掛けて語られるので、なかなか簡単には理解できません。このあとの話もそのような引っ掛けだらけです。
「志や可つら里う王」、読めても「沙羯羅竜王」とはすぐにはわかりませんし、こんな王様はじめて知りました。
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