P2 国立国会図書館蔵
(読み)
く王んせいの今 尓い多りても
か んせいのいまにいたりても
五分本どもち可゛ひ奈くよく
ごぶほどもちが いなくよく
あて奈さ川多うそハ奈可ず
あてなさったうそはなかず
志んちもふ多ゝびもとの奈可゛れ
しんちもふたたびもとのなが れ
と奈る事 ふちハせと奈りせハふちと
となることふちはせとなりせはふちと
奈りのぞき可らくりの可ハるよりも
なりのぞきからくりのかわるよりも
者やくこれとさ多め可゛多きハ个尓うき
はやくこれとさだめが たきはげにうき
よのありさ満奈りヲゝそれよ可う
よのありさまなりおおそれよこう
里く川くさくいふのでハ奈可川多さて
りくつくさくいうのではなかったさて
(大意)
寛政の今に至っても少しも違うことなく、よく
言い当てたものだ。嘘だったのは、中洲新地
も再びもとの流れに
もどった事。淵は瀬となり瀬は淵と
なり、のぞきからくりの変わるよりも
はやく変わってしまう。万物変化する、なるほどこれが
現実というものだ。おっとそれを
こう理屈っぽくいうのではなかった。さて
(補足)
「五分本ども」、くずし字を学びだすと必ず一〜十、壱弐参・・・のくずし字を学びます。その中でも「五」は特徴的な形です。「分」のくずし字は「ミ」+「丶」のような形。
中洲新地は1771年(明和八年)に隅田川と箱崎川の分岐点を埋め立てて造成した繁華街でしたが、20年も経ずして1789年(寛政元年)に取り払われました。この頁の絵はその中津新地を竜宮に移した架空のもの。
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