P10 国立国会図書館蔵
(読み)
せ うちき志゛ゞいおやこ尓つゞらふたつを
しょうじきじ じいおやこにつづらふたつを
い多゛しおもいつゞら可るいつゞらふ多つの
いだ しおもいつづらかるいつづらふたつの
うちいづれ尓てもおミやげ尓
うちいづれにておおみやげに
さし阿け多いといへバ
さしあげたいといえば
ぢゞいとしより尓ハ
じじいとしよりには
可るい
かるい
つゞら
つづら
可゛
が
よいとて
よいとて
もらい个る
もらいける
(大意)
正直親子に葛籠ふたつを
出して、重い葛籠と軽い葛籠ふたつの
うち、どちらでもおみやげに
差し上げたいというと
ジジイは年寄りには
軽い葛籠が
よいというので
それをもらいました。
(補足)
「せうちき」、「せ」が「セ」に見えます。平仮名だとはおもうのですが。
「可るいつゞら」、前後の文脈から読めましたが、「可る」がひとつで「る」にみえて、わかりずらい。
「うちいづれ尓ても」、「う」は変体仮名「可」にみえるし、「ち」は「ら」にみえて、悩みます。「尓て」、「て」の曲がり部分がかすれていて、読みづらい。
「いへバ」、「へ」には見えませんけど、流れから判断。
「ぢゞいとしより尓ハ」、「とし」がしばらくわかりませんでした。お恥ずかしい。「尓ハ」、「ハ」は確かですけど、「尓」は「尓」に見えないので、あてずっぽうです。
爺さんと娘さんのすっかりくつろいでくだけた様が上手です。爺さんの表情が特にいいです。
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