2022年5月7日土曜日

舌切雀 その13

P8前半 国立国会図書館蔵

(読み)

のやとへお多づ年るよしをもの可゛多れバ

のやどへおたずねるよしをものが たれば


それハ王多くしの阿尓ゝて

それはわたくしのあににて


やど尓おりま春れど

やどにおりますれど


のりを奈め春ぎ多

のりをなめすぎた


うへ尓志多おきられ

うえにしたをきれら


て奈んきい多し故 尓て

てなんぎいたしゆえにて


小野と申  口中

おのともうすこうちゅう


いしやのく春りを

いしゃのくすりを


多ゞいま可い尓

ただいまかいに


まいる道 奈り

まいるみちなり


(大意)

(舌切雀)の宿をたずねることになったいきさつを話すと

それはわたくしの兄でして

家におりますが

のりをなめすぎた

うえに、舌を切られ

て難儀しておりましたので

小野と申す口の中の

薬を医者に

ただいま買いに

行こうと出かけたところでした。


(補足)

 読みにくい箇所が多く難儀しました。

「小?を?口中」、二箇所の?のところが不明です。読めそうで読めない・・・

 おじいさんの首や肩まわりのかしげ方がいかにも年寄りっぽくてうまいですねぇ。またおじいさんの着物の輪郭だけやや太く描いていて存在感を目立たせています。

5月12日記。わからないところの手直しをしました。

 

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