2021年9月16日木曜日

桃山人夜話巻一 その34

P18 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

死 神

し尓可゛ミ

しにが み


死 神  の一 度 見い連る

し尓可゛ミ ひと多び  

しにが みのひとたびみいれる


時 ハ必  春゛横 死乃難

とき      王うし 奈ん

ときはかならず おうしのなん


あり自害  し首 くゝ

  じ可゛い くび

ありじが いしくびくく


里奈ど春る毛ミ那

りなどするもみな


此 ものゝさそひ

この

このもののさそい


て奈須こと

てなすこと


那り

なり


(大意)

死神

死神に一度(ひとたび)みいられてしまったときは

必ず不慮の死の災厄がある。自害したり首を

くくったりなどをするのも、みな

この死神の誘い

でしてしまことなのである。


(補足)

「横」が「模」にみえます。

「里奈ど」、変体仮名「里」(り)が変体仮名「王」(わ)の「已」にみえます。

「春る毛」、ここの「も」は読みにくい変体仮名「毛」(も)。次の行には平仮名「も」があります。

「こと」は合字。これでひと文字。

 死神の体の向きと顔と両手を向けている向きが異なっています。まるで死神波を送っているよう。

 

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