p17 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
磯 那で
いそ
いそなで
西 海 尓於本く有
さい可い あり
さいかいにおおくあり
其 可多ち鱶魚乃
その ふ可
そのかたちふかの
ごとく尾越あげて
を
ごとくおをあげて
舩 人 を奈で引 込
ふなびと ひきこミ
ふなびとをなでひきこみ
てくらふとぞ
てくらうとぞ
(大意)
磯なで
西の海におおくいる。
そのかたちはフカに
似て、尾をあげて
船人をなで払い、海に引き込んで
食うという
(補足)
「な」はたいてい変体仮名「奈」(な)ですが、変体仮名「那」(な)もよく出てきます。この「那」は英文字筆記体「m」のようなかたちのもあります。
「ふか」で変換すると「鱶」(魚+養)になりますが、ここでは「鱣」(魚+亶)になっています。
この漁師は磯撫に襲われているというより、磯撫狩りをしているような表情です。船の中には魚籠なのか、それとも持ち運びできる竈のようなものがみえます。やる気満々。
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