2021年9月15日水曜日

桃山人夜話巻一 その33

p17 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

磯 那で

いそ

いそなで


西 海 尓於本く有

さい可い    あり

さいかいにおおくあり


其 可多ち鱶魚乃

その   ふ可

そのかたちふかの


ごとく尾越あげて

   を

ごとくおをあげて


舩 人 を奈で引 込

ふなびと   ひきこミ

ふなびとをなでひきこみ


てくらふとぞ

てくらうとぞ

(大意)

磯なで

西の海におおくいる。

そのかたちはフカに

似て、尾をあげて

船人をなで払い、海に引き込んで

食うという

(補足)

「な」はたいてい変体仮名「奈」(な)ですが、変体仮名「那」(な)もよく出てきます。この「那」は英文字筆記体「m」のようなかたちのもあります。

「ふか」で変換すると「鱶」(魚+養)になりますが、ここでは「鱣」(魚+亶)になっています。

 この漁師は磯撫に襲われているというより、磯撫狩りをしているような表情です。船の中には魚籠なのか、それとも持ち運びできる竈のようなものがみえます。やる気満々。

 

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