P16前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
第 五磯 撫
多゛いごい曽奈で
だ いごいそなで
肥前 松 浦の沖 尓ハ北 風 荒 く吹 時 必 磯 撫 と云 魚 海 上 尓
ひぜんまつら 於き き多可ぜあら ふくとき可奈ら須゛い曽奈で いふうを可いせう
ひぜんまつらのおきにはきたかぜあらくふくときかならず いそなでといううおかいじょうに
出 天暴 る也 此 時 船 通 りかゝ連バ可の魚 尾越以 天船 中
いで あ者゛る このときふ年とを うをを もつ せんちう
いでてあば るるなりこのときふねとおりかかればかのうおおをもってせんちゅう
の人 を海 へ撫 こミ喰 ふと曽゛形 ハ鱶 尓似天大 也 尾尓ハ
ひと うミ なで くら 可多ち ふ可 尓 於本い を
のひとをうみへなでこみくらうとぞ かたちはふかににておおいなりおには
(大意)
肥前松浦の沖に、北風が荒く吹くとき、必ず磯撫という魚が海上に
出て暴れる。このとき船が通りかかれば、その魚が尾で船中の
人を海へ払い落とし食うという。かたちは鱶(ふか)に似て大きい。尾には
(補足)
「北」のくずし字はそのまま覚えるしかありません。
「と云魚」、よくみないとどこで字が切れるのかわかりません。
「上」、おおきな「と」にみえます。
「かゝ連バ」、ひらがな「か」はあまりつかわれない。
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