P12前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
第 四鹽 の長 司
多゛以し志本 てうじ
だ いししおのちょうじ
正 應 記 尓加賀の国 小塩 の浦 奈る塩 の長 司 ハいゑ
せう於うき 可ゞ く尓をし本 うら 志本 てうじ
しょうおうきにかがのくにおしおのうらなるしおのちょうじはいえ
とミて馬 三 百 疋 を持 多り常 尓悪 食 を好 天飼 多る
う満さんびやくひき もち つ年 あくじき このミ 可ひ
とみてうまさんびゃくひきをもちたりつねにあくじきをこのみてかいたる
馬 の死し多る肉 をきり味噌塩 ホ 尓漬 置 天食 せり阿
うま し 尓く ミ曽志本とう つけ於き 志よく
うまのししたりにくをきりみそしおとうにつけおきてしょくせりあ
(大意)
第四塩の長司
「正慶記」にある。加賀の国、小塩の浦に住む塩の長司は、家は
豊かで馬三百疋を持っていた。常に悪食(獣の肉)を好み、飼っている
馬が死ぬとその肉を切り取り味噌・塩などに漬け置いて食べていた。
(補足)
「塩」の旧字体・繁字体「鹽」は虫眼鏡でもよくわかりません。
見出しの「長司」の振り仮名が「てう?じ」となってますが「?」はなんでしょう。本文の「長司」の振り仮名はみな「てうじ」です。
「とミて」、「と」がひんまがりすぎです。
「持」の「寺」くずし字は平仮名の「る」にちかい。
「常」のくずし字は特徴的です。最初の「小」の部分がなくなれば「道」のくずし字に似ています。
「馬の死し多る」、小さい「し」を読みとばしそう。「馬」がたくさん出てきますが楷書に近いものからまったくのくずし字など形がみなことなってます。
「置」のくずし字も特徴的。「罒」(あみがしら)は縦に「ヽ」二つ。「直」は「工」の両脇に「丶」ふたつ。
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