P15前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
てハ出 ゆき个り此 霊 尓煩 らひ悩 せらるゝ其 苦 しミ
いで この連以 王づ 奈や満 曽のくる
てはいでゆきけりこのれいにわずらいなやませらるるそのくるしみ
毛の尓たとへ天い者ん可多奈く悪 口 雑 言 し天身尓
あつこうざうごん ミ
ものにたとえていわんかたなくあっこうぞうごんしてみに
行 ひ多る悪 事ハ更 尓天阿るとあらゆる多王こと越
於こ奈 あくじ さら
おこないたるあくじはさらにてあるとあらゆるたわことを
吐 天三時 者゛かり苦痛 春ること日ヾ奈り医療 祈
者き ミとき くつう ひ ゐ里やうき
はきてみときば かりくつうすることひびなりいりょうき
祷 術 を尽 し津連どもさら尓其 可ひ奈くし天百
とう志゛由つ つく 曽の ひやく
とうじ ゅつをつくしつれどもさらにそのかいなくしてひゃく
(大意)
(悩まし)ては出ていった。この霊に煩い悩ませられるその苦しみは
ものにたとえていいあらわしようがなく、(まわりに)悪口雑言し、
更には自身の行った悪事もくわえ、ありとあらゆるたわごとを
吐いて、三時(6時間)ほど苦痛の日々を過ごした。医療や
祈祷術を尽くしたが一向にその甲斐もなく、
(補足)
全体に漢字のくずし字も変体仮名も読みづらい頁です。
「悪口雑言」、まわりにあたりちらして。
「行ひ」、どうもこの漢字のくずし字は苦手です。
「悪事」、ここの「事」は異体字「古」+「又」。
「尽し津連ども」、「尽」のくずし字は「尺」+「丶」ふたつ、のように上下になってます。「津」としましたが「佐」とよんでも意味は通じます。
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