P12後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
る時 漬 多る肉 の尽 个れバ老 馬 の用 尓多ゝざるをうち
ときつけ 尓く つき らう者゛ よう
るときつけたるにくのつきければらうば のようにたたざるをうち
殺 し天喰 ひし尓夢 尓其 馬 長 司 可゛咽尓くひつくと
ころ くら ゆめ 曽のうまてうじ のど
ころしてくらいしにゆめにそのうまちょうじがのどにくいつくと
見し可゛其 日与り馬 越殺 せし時刻 と奈連バ老 馬 の
ミ 曽の うま ころ じこく らう者゛
みしが そのひよりうまをころせしじこくとなればろうば の
霊 来 りて長 司 可゛口尓いり腹 中 越い多免奈や満し
連以き多 てうじ くち ふくちう
れいきたりてちょうじがくちにいりふくちゅうをいためなやまし
(大意)
ある時、漬けておいた肉がなくなったので、年とって役に立たなくなった馬を打ち
殺して食ったところ、夢にその馬が出てきて長司の咽に食いつくのを
見た。そしてその日より馬を殺した時刻になると殺した老馬の
霊が来て、長司の口に入り、腹を痛め悩まして
(補足)
「肉の尽个れバ老馬の用」、「肉」の一画目がありません。「尽」、中の点々が下部に出てしまったような形のくずし字。「用」、肉同様一画目がなく「那」の偏のような筆順と形です。
「喰ひし尓」、「し」がわかりにくい。「し」は長くなったり短くしたり、文字の左側にかさなったりと変化自在。
「口尓いり」、「り」が形をなしていませんが、流れで理解。
「腹」、偏の「月」がこんな形のもあるんですね。
「奈や満し」、「し」をよみとばしそう。
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