2021年9月10日金曜日

桃山人夜話巻一 その28

P14 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

塩 の長  次郎

志本 ちやうじらう

しおのちょうじろう


家 に飼 多る

いへ 可ひ

いえにかいたる


馬 を殺 して食 しより馬 の

うま ころ  くひ   うま

うまをころしてくいしよりうまの


霊 氣常 尓長  次郎 可゛口 を出入 奈須とぞ

れいきつ年 ちやうじらう  くち でいり

れいきつねにちょうじろうが くちをでいりなすとぞ


古乃事 ハむ可しよりさ満\゛/尓いひつ多へり

  こと

このことはむかしよりさまざ まにいひつたえり


(大意)

塩の長次郎


家に飼っている

馬を殺して食べてから、馬の

霊気が常に長次郎の口を出入りするという。

このことは昔より様々に言い伝えられている。

(補足)

 口に出入りする馬の霊気にしては、とてもとても実物そのものの馬の下半身であります。尻まわりなどのぞこうものなら、激しく蹴飛ばされそう。

「長次郎」(ちやうじらう)は本文のほうでは「長司」(てうじ)でした。

「霊気」、「霊」が「異」の異体字のようにみえます。

「古乃」、読みは「この」ですが、一瞬迷います。

「いひ」、どちらも似ている。

 

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