2021年9月26日日曜日

桃山人夜話巻一 その44

P24後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

同 じもろこし燕 然 山 の苔 渓 ニ春む可゛満丈  余尓して人 越

於奈     えん袮んざん 多以个い      せう よ   ひと

おなじもろこしえんねんざんのたいけいにすむが まじょうよにしてひとを


喰 ふと阿り凡  可゛満の八 尺  尓充 る毛のハ多 くハ害  を

くら    於よ曽    者つしやく ミつ    於本  可゛い

くらうとありおよそが まのはっしゃくにみつるものはおおくはが いを


奈春登志るせりま多小  奈りといへども立 天あ由

         せう        多ち

なすとしるせりまたしょうなりといえどもたちてあゆ


む蛙  ハ必    害  越奈志毛の也 と兎床  談  尓記 し多り

 可王づ 可奈ら須゛可゛い        とせう 多゛ん 志る

むかわずはかならず が いをなすものなりととしょうだ んにしるしたり


(大意)

同じことである。燕然山の苔むした谷にすむがまは一丈(約3m)あまりもあって人を

食うとある。およそがまのうち八尺に足る大きさのものの多くは害を

なすと記されている。また小さくはあっても立って歩く

蛙は必ず害をなすものであると「兎床談」に記されている。

(補足)

「同じ」、少し角ばっていますが「へのへのもへじ」に見えないこともない。

「苔渓ニ」、「ニ」が右下にあるようにみえます。

 ちょうどこの桃山人夜話が出版された頃と一致するのでしょうか、忍者の児雷也が大蝦蟇にのったり化けたりして、宿敵大蛇丸(おろちまる)と戦う噺があります。作者は当然知っていたとおもいますが、文章にはそれを微塵も感じさせません。

 

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