P24後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
同 じもろこし燕 然 山 の苔 渓 ニ春む可゛満丈 余尓して人 越
於奈 えん袮んざん 多以个い せう よ ひと
おなじもろこしえんねんざんのたいけいにすむが まじょうよにしてひとを
喰 ふと阿り凡 可゛満の八 尺 尓充 る毛のハ多 くハ害 を
くら 於よ曽 者つしやく ミつ 於本 可゛い
くらうとありおよそが まのはっしゃくにみつるものはおおくはが いを
奈春登志るせりま多小 奈りといへども立 天あ由
せう 多ち
なすとしるせりまたしょうなりといえどもたちてあゆ
む蛙 ハ必 害 越奈志毛の也 と兎床 談 尓記 し多り
可王づ 可奈ら須゛可゛い とせう 多゛ん 志る
むかわずはかならず が いをなすものなりととしょうだ んにしるしたり
(大意)
同じことである。燕然山の苔むした谷にすむがまは一丈(約3m)あまりもあって人を
食うとある。およそがまのうち八尺に足る大きさのものの多くは害を
なすと記されている。また小さくはあっても立って歩く
蛙は必ず害をなすものであると「兎床談」に記されている。
(補足)
「同じ」、少し角ばっていますが「へのへのもへじ」に見えないこともない。
「苔渓ニ」、「ニ」が右下にあるようにみえます。
ちょうどこの桃山人夜話が出版された頃と一致するのでしょうか、忍者の児雷也が大蝦蟇にのったり化けたりして、宿敵大蛇丸(おろちまる)と戦う噺があります。作者は当然知っていたとおもいますが、文章にはそれを微塵も感じさせません。
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