p9後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
惑 ひ溺 る遍゛可ら須゛との教 奈り女 の性 ハ皆 ひ可゛めり
まど お本゛ をしへ をん奈 せう ミ奈
まどいおぼ るべ からず とのおしえなりおんなのしょうはみなひが めり
只 迷 越阿るじ登し天彼れ尓随 ふ時 や佐しくもおもし
多ゞまよひ 可 志多可゛ とき
ただまよいをあるじとしてかれにしたが うときやさしくもおもし
路くも覚 ふべきこと奈りさ阿連バ是 尓心 越とら可し
お本゛ これ こゝろ
ろくもおぼ うべきことなりさあればこれにこころをとらかし
(大意)
惑わされて溺れることのないようにとの教えである。女の性質とはみな素直でなくねじけているものなのだ。(心を奪われた)女にひたすら迷い、(気持ちのままに)それに従うときは、女のことを優美にも心惹かれるとも感じることだろう。そうであるからこれに心をとらわれ、
(補足)
「遍゛可ら須゛」、よくでてくるので、まとめてセットでおぼえます。
「教」(をしへ)、振り仮名を読むのもちょっと大変。
「女の性(せう)は皆ひ可゛めり」、辞書を引くと〈徒然草•107〉にあるそうです。そのまま引用しています。
「随ふ」(志多可゛う)、くずし字も原型が残っているので読めないこともありませんが、振り仮名があるので悩みません。よくでてくるの覚えます。
「や佐しくも」、文章のながれで読むことはできますが、変体仮名「佐」(さ)がすぐにはわからない。次の変体仮名「路」(ろ)はもうおなじみです。
「こと」は合字。
徒然草の時代からずっと好き勝手なことを言い続けているということは、その本人がその原因を改められない「愚かな」ことの証明であります。
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