2020年6月30日火曜日

的中地本問屋 その17




P.6



P.6 上段

(読み)
奈りいち
なりいち

尓ち尓
にちに

ひとりで
ひとりで

何 万 まいと
なんまんまいと

いふ可ずを
いうかずを

春り个る
すりける

ひとへ尓あさ
ひとえにあさ

ひ奈可゛くさ
ひなが くさ

春゛りを
ず りを

ひ起きりし
ひききりし

うでのち
うでのち

可らと可げ
からとかげ

きよ可゛し
きよが し

ころを引
ころをひき

きりし
きりし

ち可ら尓
ちからに

あヤ可りし
あやかりし

と見へ
とみえ

多り
たり

个る
ける


(大意)
(達者に)なり、1日にひとりで何万枚という
数を摺った。
ひとえに、朝比奈が草摺を引ききった腕の力と
景清が錣(しころ)を引ききった力にあやかった
ように見えた。


(補足)
(その15)P5からの続きです。

 裏写りがあって読みづらい箇所もあります。

「何万」、「何」がわかりにくですが、確かに「亻」+「可」と読めます。

「しころ」、「こ」と「ろ」の区切りがわかっていしまえば問題なしなのですが、「しころ」という単語がわからなければ悩むところ。

「草摺」、鎧の腰部分を覆うヒラヒラ部分。鎌倉時代、曽我五郎と取っ組み合い、相手の草摺を引き違った故事による。

「錣」、兜の首の後ろ部分を覆う箇所。平安時代末期源平の合戦では那須与一の故事が有名。そのときに屋島の合戦で景清が三保谷国俊と争い、その錣を引き違ったという故事による。





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