2020年6月5日金曜日

豆本 化物嫁入咄 その6




P.4

(読み)
あらハとでいりの
あらばとでいりの

もの尓多のミける
ものにたのみける

む春めの父
むすめのちち

「どふぞよいところへ多のミます
 どうぞよいところへたのみます

「ひとつめ尓う どうのところへ
 ひとつめにゅうどうのところへ

出入 いしやの者゛けもの
でいりいしゃのば けもの


(大意)
あればと親しくしている
ものに頼んだ

娘の父(がいう)
「どうぞよいところへ頼みます」
「ひとつ目入道のところへ」

親しくしている医者の化物が


(補足)
「あらハと」、ここだけ読んでも悩みますが、前頁の「さうおう奈ところ可゛」(相応なところが)につながるので「あらばと」(あればと)となります。

「ひとつめ尓」と「尓」(に)を助詞で区切ってしまうと、次がおかしくなります。
「う」にみえるのはほとんどは「可」(か)なのですが、ここでは両方共「う」です。
「ひとつめ尓うどう」(ひとつ目入道)でした。
次頁にそのひとつ目入道が描かれています。

「いしや」、石屋ではなく医者。


 大口を開けている半魚人化物は1頁の化物と同一人物いや化物なのでしょうが、顎の肉がたるんでいません。

屏風の絵はまともで梅でしょうか。



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