2020年6月26日金曜日

的中地本問屋 その13




P.4



P.4 下段

(読み)
奈つのうち
なつのうち

志こんでお可年
しこんでおかね

バおもふやう尓
ばおもうように

あ起奈い可゛で起
あきないが でき

まセぬそれを
ませぬそれを

こんヤぢう 尓
こんやじゅうに

あげてもらつて
あげてもらって

そのあと尓きく丸 の
そのあとにきくまるの

大尓しき 可゛六 七
おおにしきが ろくしち

者ん本つて
はんほって

もらひてへの
もらいてぇの


(大意)
夏のうちに仕込んでおかないと
思うように商売が出来ません。
それを今夜中に仕上げてもらって
そのあとに、きく丸の大錦を六・七枚
彫ってもらいたいのぉ。


(補足)
 右下の「よい まセぬ」は(その10)で記載済。

 江戸時代、本の出版はほとんど正月と決まっていて、人々は正月に新春版の本を買うのを楽しみにしていたという。(https://www.web-nihongo.com/edo/ed_p099/)
そのためには、「奈つのうち志こんでお可年バ」間に合わないとなる。

「きく丸」、喜多川歌麿の門人。初名を菊麿(きく丸)、この本の出版のときは喜久麿(きくまる)、1804年以降は月麿(つきまる)と名乗った。

「大尓しき」、大判の錦絵。当時の本屋さんの壁や軒下にポスターのように飾った。

 読みやすい文章が続きます。



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