P.4
P.4 下段
(読み)
奈つのうち
なつのうち
志こんでお可年
しこんでおかね
バおもふやう尓
ばおもうように
あ起奈い可゛で起
あきないが でき
まセぬそれを
ませぬそれを
こんヤぢう 尓
こんやじゅうに
あげてもらつて
あげてもらって
そのあと尓きく丸 の
そのあとにきくまるの
大尓しき 可゛六 七
おおにしきが ろくしち
者ん本つて
はんほって
もらひてへの
もらいてぇの
(大意)
夏のうちに仕込んでおかないと
思うように商売が出来ません。
それを今夜中に仕上げてもらって
そのあとに、きく丸の大錦を六・七枚
彫ってもらいたいのぉ。
(補足)
右下の「よい まセぬ」は(その10)で記載済。
江戸時代、本の出版はほとんど正月と決まっていて、人々は正月に新春版の本を買うのを楽しみにしていたという。(https://www.web-nihongo.com/edo/ed_p099/)
そのためには、「奈つのうち志こんでお可年バ」間に合わないとなる。
「きく丸」、喜多川歌麿の門人。初名を菊麿(きく丸)、この本の出版のときは喜久麿(きくまる)、1804年以降は月麿(つきまる)と名乗った。
「大尓しき」、大判の錦絵。当時の本屋さんの壁や軒下にポスターのように飾った。
読みやすい文章が続きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿