2020年6月19日金曜日

的中地本問屋 その6




P.2



P.2上段

(読み)
鋤(すき)鍬(くハ)
すき   くわ

これをミ奈
これをみな

さいまつ尓
さいまつに

奈しひやく
なしひゃく

しやうのミの
しょうのみの

あぶらを
あぶらを

志本゛りて
しぼ りて

ねりヤ王セ
ねりあわせ

丸薬  と奈し
がんやくとなし

一九 尓のまセ
いっくにのませ

个る尓ふし
けるにふし

ぎヤめう
ぎやみょう

やくのとく
たくのとく

尓てことしの
にてことしの

さくハと本う
さくはとほう

も奈くよく
もなくよく

で起个る
できける


(大意)
鋤(すき)・鍬(くわ)、これらを細かく砕き
百姓の身の油を絞ったものと練り合わせ丸薬としたものだった。
一九に飲ませたところ、なんとしたことか妙薬の効き目で
今年の作品は途方もなく良い仕上がりになった。


(補足)
 前々回の「干鰯・馬糞」からの続きになります。

「や」の筆順が「ゆ」と同じで、最後の斜め棒がないので「ゆ」に見えてしまいます。
また「ねりヤ王セ」、「ふしぎヤ」のようにカタカナもあります。

「ひやくしやう」、「う」が「ら」とまぎらわしい。「あぶらを」の「ら」とほとんど同じ形です。「めうやくの」の「う」も同じ。

「ねりヤ王セ」(ねりあわせ)、練り合わせるの意ですけど、旧仮名遣いでもこんなふうに言うのでしたっけ。

「丸薬」、「薬」が「艹」+「禾」になってます。

「尓てことしの」、「て」と「こ」の区別がやっかい。


 丸薬の材料、干鰯・馬糞、さらに百姓の油まではよいとしても鋤・鍬まで原料とするのはなんだかとっても妙であります。


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