2020年6月13日土曜日

豆本 化物嫁入咄 その14




 奥付

(読み)
厚薄辻占入 唄本品々
こうはくつじうらないいり うたほんしなじな

太閤記甲越 武者切付品々
たいこうきこうえつ むしゃきりつきしなじな

新板上下 一代記物 手遊繪品々
しんぱんじょうげ いちだいきもの てあそびえしなじな

開化往来物品々
かいかおうらいものしなじな

手遊繪品々
てあそびえしなじな

改正 塵功記
かいせい じんこうき

明治十四年九月三日御届
めいじじゅうよねんくがつみっかおとどけ

本所区?沢町壱丁目
ほんじょく?さわちょういっちょうめ

三者゛ん地
さんばんち

出版人 宮田伊助
しゅっぱんにん みやたいすけ

定價壹錢三厘
ていかいっせんさんりん


(大意)



(補足)
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これはこれで興味深い。

フリガナはあてずっぽうです。

「厚薄」(こうはく)、今では使わないし耳にもしません。意味は十分なこと不十分なことのような感じなので、当たることもあるし当たらぬこともある辻占いのおまけ付きということでしょう。

「手遊繪」、当時の子ども達が楽しんだ錦絵(浮世絵)のこと。「遊」のくずし字は特徴的で、偏や旁などを分解してしまって部品の位置を変えるというひとつの型があります。
ここでは「方」を偏にして、残りを右半分にまとめています。

「塵劫記」、吉田光由が1627年に出版したものですから、この明治になってもまだまだ需要があったことになります。算術書として約270年も読みつがれていることに驚嘆します。

「三者゛ん地」、わざわざ「番」を変体仮名で「者゛ん」としています。あまり目にしません。

 原本の豆本は色刷りなのですが、国立国会図書館デジタルコレクションでは白黒写真なので絵の迫力が少々物足りませんでした。




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