2020年6月14日日曜日

的中地本問屋 その1




表紙1



表紙2


(読み)
表紙1
的中地本問屋
あたりやしたじほんどんや

表紙2
享和二年
きょうわにねん

的中地本問屋
あたりやしたじほんどんや

一九画作
いっくがさく

三冊
さんさつ

(大意)


(補足)
 今回からは「的中地本問屋 十遍舎一九 作・画」です。
ネットでも何人もの方が、丁寧で面白くまとめて取り上げられています。
先人方のBlogにはとても及びませんので、単にくずし字の勉強と慣れのためだけに特化して
書き連ねてまいります。
 新しい発見やなるほどと思われる内容はまずありませんので、それらを期待する方々は他のBlogをご覧なされたほうが有益であります。

「的中地本問屋」、そのまま素直に読めば「てきちゅうじほんどんや」となりますが、そこは一九先生、洒落と諧謔とへそ曲がりのかたまりですから、「的中」を江戸弁で「あたりやした」と出版した本が大いに売れたことをそのまま題名にしたのでしょう。題名に「アタリマシタ」とフリガナがある版もあります。

 地本問屋とはそのままの意味で江戸の地元で出版された書籍類を販売するお店。また上方の出店や上方下りの本を扱うお店に対する言葉でもありました。

 あらすじは、地本問屋主人村田屋が怪しい丸薬を怠け者作家一九先生に飲ませたところ、たちどころに原稿が出来て売れに売れ、褒美に一九先生大好物の蕎麦を腹いっぱい振る舞われたという
どうでもよい話です。

 しかし、当時の出版の彫り摺り丁合い販売などの製本作業が詳しく描かれていて、これがとても興味深いのであります。

享和二年ですから1802年の出版です。
およそ220年前ですね、でもなんとか読むことができて意味もわかります。


黄色の表紙には刻印があります。
「帝國圖書館蔵」と読めます。

チビチビ読み進めるので約70回を予定しています。


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