2020年6月22日月曜日

的中地本問屋 その9




P.3



P.3 上段後半

(読み)
春゛るけ
ず るけ

られてハ
られては

奈るまい
なるまい

と可年て
とかねて

多く王へ
たくわえ

おい多る
おいたる

宝 永 年
ほうえいねん

中  ふじの
ちゅうふじの

山 の王起
やまのわき

いで多る
いでたる

と起の
ときの

あふミの
おうみの

水うミの
みずうみの


(大意)
怠けてもらっては困るので、
かねてより用意しておいた、
宝永の年に富士山が噴火したときに湧き出したという
近江の湖の


(補足)
「春゛るけ」、「す」の変体仮名「春」は「す」+「て」のような形。濁点「゛」がくっきりはっきり大きい、普段は付けたりなかったりでいい加減なのですが、ここのは存在感たっぷりで、その右側の「ぎヤ尓」の「ぎ」も同様。

 宝永大噴火は宝永4年(1707年)の富士山噴火で、この本の出版が1802年なので、約100年前のことを取り上げている。
近江の水、大昔富士山噴火で琵琶湖ができたという伝説を引用している。

「水」のくずし字は特徴的で、最初見たときは何の字かさっぱりわかりませんでした。形で覚えるしかありません。


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