P.67 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
一 下 名栗 村 ゟ 早 速 立 戻 り
ひとつ しもなぐりむらよりさっそくたちもどり
相 成 候 、紋 二郎 ・豊 五郎 本 縄
あいなりそうろう、もんじろう・とよごろうほんじょう
早 速 被召出 御吟 味之事
さっそくめしだされごぎんみのこと
豊 五郎 四十 四歳
とよごろう しじゅうしさい
其 方 儀、飯 能 村 江米 穀 直下ケ
そのほうぎ、はんのうむらへべいこくねさげ
無心 二頭 取 致 罷 出候 趣 、外 二も
むしんにとうどりいたしまかりでそうろうおもむき、ほかにも
頭 取 可有之 間 不慎 委細
とうどりこれあるべくあいだつつしまずいさい
可申上 、豊 五郎 答
もうしあげべく、とよごろうこたえ
乍恐 奉申上 候 、六 月 十 三 日 夜 、
おそれながらもうしあげたてまつりそうろう、ろくがつじゅうさんにちよる、
(大意)
ひとつ 下名栗村より急いで戻って
まいりました。紋次郎・豊五郎は綱に繋がれ
早速尋問の場へと連れ出されてきました。
豊五郎 44歳
お前は、飯能村へ米穀物値下げの
無心をする首謀者として出向いたようである。その他にも
陣頭にたった事柄があるようであるが、包み隠さずすべて
述べよ。豊五郎答えて
恐れながら申し上げます。6月13日夜、
(補足)
紋次郎・豊五郎は捕まりました。
豊五郎の尋問が始まります。
「早速」が2回出てきます。「速」は同じですが、「早」が異なっています。いつもながら感じることなのですが、わずか1,2行の間に気分で字体まで変わってしまうものでしょうか。
「本縄」(ほんじょう)としました。辞書には「捕縄」(ほじょう)はありましたが「本縄」はありません。
「歳」、読めません。漢数字の次にきているので、推測はできますが。
「其方儀」、ここからは、映画・TVのお白州の場面となり、本文から離れてそれらお白州でのやり取りの会話が思い出されて、フィクションになってしまいます。
また内容は、すでに何度も出てきていることの繰り返しなので復習するにはよい箇所になります。
「乍恐奉申上候」、典型的な口上です。6文字セットで覚えます。出だしの「乍恐」はしっかりと覚えます。
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