2019年4月10日水曜日

変事出来二付心得覚記 その146




 P.65 5行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
此方 出  役 いたさぬ前 二も
こちらしゅつやくいたさぬまえにも

召 捕  置 遍き事 、猪   猿
めしとらえおくべきこと、いのししさる

二而ハある満以し山 の中 に
にてはあるまいしやまのなかに

住 居 致  筋 無之  、第 一 者
すみおりいたすすじこれなく、だいいちは

喰  事二差 支  、村 役 人 共
しょくじにさしつかえ、むらやくにんども


(大意)
わたしがこちらに出向いてくる前に
捕らえておくべきことではないか。猪や猿
ではあるまいし、山の中に
住んでいる訳がないではないか。だいいち
食事が出来ぬではないか。村役人よ


(補足)
 吉岡静助様のお叱りの度合いが高まってきてます。
名主さんたちは吉岡様の前で畳を見つめ、かしこまってこうべをたれていた場面が浮かびます。
時代劇の見過ぎかもしれませんが、きっとそうだったにちがいありません。

この前の行の「所存」の「所」と、「いたさぬ前」の「前」が「艹」の点々以外ほとんど同じ。
「猪猿」、「犭」の筆の運びがわかります。
「ある満以し」(あるまいし)、変体仮名。
「住居」(すみおり)としましたが、素直に(じゅうきょ)かもしれません。


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