P.62 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
三 段 二も致 し、金 銭 二而者
さんだんにもいたし、きんせんにては
よ路しから須、麦 ・米 穀 ヲ
よろしからず、むぎ・べいこくを
買 揚 施 し可為致 候 、
かいあげほどこしいたさせべくそうろう、
金 銭 二而者無益 二使 候 而ハ
きんせんにてはえきなしにつかいそうろうては
夫 喰 助 二ならす趣
これしょくたすけにならずおもむき
被仰聞 、難有 御口 達
おおせきかされ、ありがたきごこうたつ
二付 一 同 案 心 仕 候
につきいちどうあんしんつかまつりそうろう
太次郎 殿 夜中 帰 り、翌 日
たじろうどのよなかかえり、よくじつ
廿 八 日 新 立 江集 ル
にじゅうはちにちにったちへあつまる
(大意)
(念には念をいれてよくよく選び)、金銭での助けは
よろしくなく、麦や米穀を
買い上げてそれらを施させることです。
金銭での施しは無駄になっってしまうので
それでは食料の施しとはならないだろうと
仰られて、ありがたいお達しで
あると皆安心することとなりました。
太次郎殿は夜中に(名栗へ)帰宅し、翌日の
28日に新立へ来ました。
(補足)
「金銭」、この3行あとの「金銭」はなんとか読めましたが、この「金銭」は難しい。また「金」はいつもながら「令」に見えてしまいます。
「よ路しから須」、変体仮名。この頁の書き手は女性でしょうか。
「可為致候」、この「候」はデカイ!
「無益」、「益」はひどく崩しているわけではないのですが、全体のバランスが上部・下部とはっきり分かれている感じです。
「難有」、この「有」のくずし字も頻出です。形で覚えるしかありません。
「案心」、「心」のくずし字は頻出ですが、1画目と2画目が強いつながりで一体となってます。
「夜」、久しぶりに出てきました。「亠」+「亻」が一つとなって偏のようになります。
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