P.20 4行目〜6行目まで
(読み)
い可やうに致 しても蒸 煮 出来奴事 有。
いかようにい多してもむし尓へできぬことあり。
これハい可ヽ゛い多し、可く尓へ奴事 奈どヽ、不審 春流尓
これはいかが いたし、かくにえぬことなどと、ふしんするに
是 ハ俗 尓言、 狗 可゛ミの付 多ると志類べし。
これはぞくにいう、いぬが みのつきたるとしるべし。
彼 地尓て者平 生 心 得ある由へ騒 ぎ申 さ須゛、
可のちにてはへいぜいこころえあるゆえさわぎもうさず、
早 く祈祷 奈とい多し、退 く類なり。
はやくきとうなどいたし、志りぞくるなり。
(大意)
どのようにしても、蒸すことが出来ないことがある。
これはどうしたことか、このように煮えぬことなど、原因は思い当たらないが、
これは俗にいう、犬神がついたと知るべきである。
石見では普段からその心得があるので騒がないが、
早く祈祷などして、犬神を退治しなさい。
(補足)
「流」のくずし字、「佐」と似ています。比べてみてください。
「狗」のくずし字は、書き順通り一筆書きみたいに書かれています。なんかホッとします。
「心得」、本文2度めです。
「騒」の旁が「癶」+「虫」になってます。
当時はうまく蒸せなかったり煮えなかったりすると祈祷などをしたわけです。
現代では、科学的にそれらの原因に対処するわけですが、それでもやはり上質な紙が出来上がるように、どこの工場や工房にも神棚をもうけお祈りと感謝は欠かさないはずです。
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