2018年9月19日水曜日

紙漉重宝記 その40




P.17 同う春皮を削圖の上半分の9行目〜最後まで


(読み)
能 多ゝきとろゝを入 天
よくたたきとろろをいれて

漉 也  楮 苧少  き年 ハ
春くなり。可うぞ春く奈きとしは

桑 の木越製 須 楮苧 能ことし
くハの者をせいす。可うぞのごとし

桑 の葉も春起こむなり
くハの者もすきこむなり


(大意)
よく叩き、トロロアオイを入れて漉く。
楮苧の収穫が少ない年は桑の葉で代用する。
楮苧によく似た製品になる。
桑の葉も鋤きこむ。


(補足)
 「とろろ」はトロロアオイのことで、和紙製造の肝だそうです。
この後しばらくして、トロロアオイについてだけの説明が詳しくされてます。
「能」のくずし字、すぐには読めません。この2行後では、「楮苧能ごとし」の「能」は
よく見るくずし字です。

「桑の木」、「木」を「者(は)」と読ませてます。しかし次の行では「桑の葉」としてます。
日本農書全集53によると「桑の葉で漉くことはない」と注に記されています。


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